信号待ちで停止した状態から発進をする為にアクセルペダルを踏んでも1秒くらい何も起きません。エンジンの回転数も上がりません。1秒後に動き出して、その後は普通に加速をします。このタイムラグの原因は? ホンダ フィット(GK5) 茨城 守谷 車検 点検 修理 整備 中古車 新車 販売  ・長妻ホンダ

query_builder 2026/06/16
ブログ
エンジン

おはようございます。長妻です。今回のブログはホンダの

フィットのパート2になります。前回は始動不良の修理を

させていただきましたが、別の症状として信号待ちからの

発進時に1秒くらいラグがあると伺っていました。試乗を

してみるとすぐに確認できました。走行中の再加速の時は

異常は無いのですが、信号待ちで完全に停車をした後だと

アクセルペダルを踏んでから1秒くらい何も起きません。

ブレーキペダルを離してから、すぐにアクセルを踏まずに

少し待ってから踏んでみましたがやはりラグがあります。

ブレーキアシスト(ヒルスタートとか)の故障でも無いと

思われます。色々なパターンを試してみましたが、発進が

出来ないというよりはエンジンの回転数が上がらないのが

症状の本質だとわかりました。これは初めて見ます。

エンジン

動き出した後の再加速なら何も問題はありません。あくまで

最初だけおかしい状態です。エンジン不調もありませんので

コイルの失火やガソリンポンプの作動不良でもありません。

エンジンの回転数が上がらないのが主な症状なのでCVTの

故障でも無いでしょう。そうなってくると怪しくなってくる

部品はスロットルボディーです。ガソリンと混ぜる吸入空気

の量を調整している部品で、シンプルに例えるとフタです。

スロットルボディー

フタが開けば空気が多く入り回転数も上がります。(ECUで

制御してガソリンの噴射量も同時に増える)逆にフタが締まり

空気の量が減ると回転数も下がります。昔はアクセルペダルに

ワイヤーが付いていてエンジンまで繋がっていました。それで

スロットルを引っ張ってフタを開けていました。軸にはバネが

あって、ペダルから足を離すとフタが勝手に閉まる構造です。

アイドリング時に必要な吸入空気はEACV(名前はメーカー

ごとに変わります)の様な電子制御バルブを別途で設ける事で

対応をしていました。アイドリングだけは電子制御な訳です。

※写真はスズキのワイヤー式の例です。

スロットルボディー

電動スロットル式には基本的にワイヤーは使用されていません。

(正確には電動モーターでワイヤーを引っ張るタイプはある。)

アクセルペダルの踏み込み量をセンサーで測定して電圧値に変換を

します。それから計算された分だけ電動モーターでフタを動かして

空気量を調整しています。物理的なワイヤー式とは違って、電圧の

制御さえしてしまえばアクセルベダルをまったく踏まなくても車を

加速させる事ができます。日産のオートパイロットみたいに自動で

お車を走行させる時にこの機能が利用されています。ECUによる

細かい制御を可能にする為に採用されました。採用初期の目的は、

燃費の向上だったと思います。使用者の癖による急激なエンジンの

回転数の上昇を抑制しつつ、CVT(無段変速機)と組み合わせて

適切なギヤ比にする事でトルクと燃費の両立をさせています。昔の

3速オートマ車と比べると燃費(特に高速走行時)が大きく改善を

しています。※写真はスズキの電動スロットルの例です。

スロットルボディー

電動スロットルのエンジンにはEACVの様なサブバルブ

がありません。アイドリング時の吸入空気もフタを僅かに

開けて確保しています。なのでフタの周辺に汚れが堆積を

して隙間を塞がれてしまうと空気が吸えなくなって不調が

発生します。スロットルが大きく開く加速時はこの不調は

起きません。運転手がペダルを踏んでいないアイドリング

時だけ起きます。過去に修理をした例ですが、トヨタ車で

信号待ちでエンジンが止まってしまうんじゃないかと思う

ほど回転数が低くなっていたのはここが原因でした。でも

今回はエンジン不調は起きていません。なのに、どうして

ここが怪しいと思ったかと言うとワイヤー式のエンジンの

修理経験からです。ホンダのディーラー勤務時代に初期の

オデッセイでアクセルペダルが最初だけ引っかかる感じが

して気持ちが悪いと来店されたお客様がいました。当時は

EACVの清掃(はしないで交換になってはいた)だけは

した事がありましたがスロットルボディーの清掃は経験が

ありませんでした。清掃すると引っかかりは消えました。

電動モーターは精密に動く部品です。力まかせに動いたり

しません。そのためフタの周辺に汚れが僅かでも堆積して

引っかかりが出来てしまうと、それを乗り超えて開くのに

ラグが発生してしまうんじゃないかと推測をした訳です。

推測ですので必ず直るとは限りません。お客様には診断も

含めて試してみましょうと伝えました。

スパークプラグ

スロットルボディーは冷却水のホースは外さずに、半脱着の

状態(部品の一部が付いたまま)で清掃できます。洗浄剤を

吹き付けると故障してしまうので布に染み込ませてふき取る

様に清掃をしていきます。軸の周辺には潤滑をするグリスが

塗布してあります。それはふき取らない様に気をつけます。

走行距離や過去の整備履歴(記録簿)の内容から点火装置の

スパークプラグも交換時期と判断しました。お客様にお話を

すると交換して下さいとの事だったのでこちらも作業させて

いただきました。高寿命タイプの両極イリジウムプラグでも

10万キロを過ぎたら交換をした方が良いです。他の部品の

故障(特にイグニッションコイル)に関係してきます。

自動車

スロットルボディー清掃後は外部診断機でカーボン堆積値を

リセットします。ECUはエンジンを制御する際に堆積値も

参照しています。スロットルボディーがキレイになったのに

清掃前と同じ制御をされてしまうと異常なアイドル回転数に

なったりして危険です。エンジンをかけて暖機が終わったら

試乗をして症状が消えたのを確認をしました。先ほど書いた

様に今回の症状は修理をした経験がありません。完治するか

緊張が走りましたが、信号待ちの後もスムーズに発進できて

いました。一安心です。スターターの交換もしていますから

始動から発進まで修理前からは大きく改善しました。心配を

していたお客様も、安心してお車を使用できると思います。

ありがとうございました。

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